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日本管区での活動 ~Our Activities~

カリタス南相馬 

ロボテス見学会 2020 に参加しました ①

2020-09-12
 「ロボテス見学会2020」 は、南相馬市と浪江町の福島ロボットテストフィールドで8 月22日に開かれました。
「福島ロボットテストフィールド(ロボテス)」は、福島イノベーション・コースト構想に基づき整備されています。 物流、インフラ点検、大規模災害などに活用が期待される無人航空機、災害対応ロボット、自動運転ロボット、水中探査ロボットといった陸・海・空のフィールドロボットなどを 、実際の使用環境を拠点内で再現しながら研究開発、実証試験、性能評価、操縦訓練を行うことができる、世界に類を見ない一大研究開発拠点 です。
 福島イノベーション・コースト構想とは、2011 年に発生した 東日本大震災および原子力災害により失われた福島県浜通り地域の産業を回復するために、 新たな産業基盤の創出を目指す 国家プロジェクトです。 廃炉、ロボット、エネルギー、 環境、リサイクル、農林水産などの各分野におけるプロジェクトを具体化し 、新たな企業を呼び込んで 、地元企業との連携を深め、産業集積の実現、教育・人材育成、生活環境の整備、交流人口の拡大に向けた取り組みです。
 ロボテスは、南相馬市・復興工業団地内の東西約 1,000m、南北約500m の敷地内に「無人航空機エリア」、「 インフラ点検・災害対応エリア」、「水中・水上ロボットエリア」、「開発基盤エリア」があり、浪江町には長距離飛行試験のための滑走路などが整備されています。
カリタス南相馬から 5 名が参加しました。見学会は 4 つの部門に分かれて準備されていました。  研究棟内ではロボット Pepper によるラジオ体操、 VRアート( VR ゴーグルを付けてバーチャルリアリティの空間に、3Dの絵を描くアート)などなどのイベント、 各種ロボットの展示が行われていました。  わたしたちが参加したのは屋外の施設の見学ツアーでした。 広大な土地に開発基盤エリアである研究棟のほかに、 無人航空機エリア、 水中・水上ロボットエリア、インフラ点検・災害対応エリア が広がっています。   まず西側。ヘルメットをかぶっての行軍でした。幸い薄曇りで浜通りの気候はそれほど暑くはありません。無人航空エリアでは無人飛行機を飛ばすための滑走路やヘリポートがあります。興味を引いたのはネットで覆われた飛行場で 高さ 15メートルもあります。ネットで覆うことで法律で規制されることなくドローンを飛ばすことができるのだそうです。 津波が押し 寄せるときにどのように人々を誘導するか のデモンストレーションでした。 解説をしてくだされ方の後ろに 1 台のドローンが見えますが、約1m の大きなものです。これにはフラッシュライトがついています。夜間でもこの光を頼りに避難できるように方向を示します。もう一台のドローンはこれより小型ですが、スピーカーがついており、緊急事態を知らせます。そのほかドローンの将来的利用についてなど夢が語られました。
東エリアでは工場の点検や災害時の対応を研究するために工場を模した試験用プラントがあります。様々な形状の配管やバルブ、らせん階段や煙突などがあり、平時や災害時の化学プラントでのロボットの開発・試験などが行われます。また、ダム、河川、水没市街地などの水上、水中で発生する状況を再現した水中・水上ロボットエリア、そしてインフラ点検・災害対応エリアとして実際のトンネルや、橋梁、市街地、道路などが作られています。市街地には住宅やビルに加え、信号や標識を備えた交差点もあります。ここでは車の無人運転走行のテストが行われているそうです。また災害を模した瓦礫や被災した車両などが置かれ、救助や障害物除去などの訓練が行われています。救助や復旧作業を行うロボットが活躍する場です。
    写真は風洞塔の中にある風を起こす機械です。ここから風速20m/sまでの風を起こし、ドローンなどの風に対する安定性などの試験をします。
   午後から浪江会場に移りました。ここにはロボテスの浪江滑走路があり、南相馬からの無人飛行機の長距離飛行に実験のために使われるそうです。ここでは、小さなドローンを実際に操作することができました。操作はそれほど難しいものではありませんでした。二つのレバーを上下左右に動かすことによって自由に飛ばすことができます。床にある20 ㎝四方のドローンを飛ばし、窓際にある黄色と黒のバーをくぐって元の場所に着陸させるのです。大変興味深く、楽しむことができました。が、実際に屋外で様々な目的で飛ばすにはいろいろな航空上の法律の規制があったり、時にはドローンが行方不明なったりすることもある そうです。またバッテリーで駆動し、バッテリー自体の重量があるので運べる荷物の量には制約があったり、飛ぶ時間の制約があったりして、実用化にはもう少し時間がかかりそうです。ドローンや無人航空機、様々なロボットは人々の生活支援・向上、災害対応のために大きな役割を果たすことでしょう。が戦争に利用されることも無きにしもあらずです。そうならないように願いたいものです。
Holy Spirit Missionary Association (HSMA)
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