シスターFi の福音日記
「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい」 ヨハネ5:8
2023-03-27
38年も池の側で横たわり、病気で苦しんでいた人にイエスは言う。「床を担いで歩きなさい」。
起き上がり、歩くことになったのになぜ重い床を担いで歩くようにと?両足で立ち上がり軽く踊りながら去っていきたいのになぜ?
38年も横たわった床は汚く、すり切れていただろう。すべてをが他の人のせいにしながら、自分の意思も失ったこの病人には、二度も使いたくも見たくもない過去の痛みであろう。しかし、床は捨てたくても捨てられない重い心の傷でもある。
わたしたちは皆こどもの時から何十年も重い痛手を負っているのではないか。イエスはこの痛手を「捨てなさい」と言われない。むしろ、「忘れないように担いで行くように」。その中で、人間は成熟し、謙遜になり、神に委ねることができるのだ。
わたしの痛手が、弱さが宝になるように、それをまた誇りとすることができるようになりたい。