シスターFi の福音日記
「お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました」ルカ15:21
2023-03-13
これは放蕩の限りを尽くして、全財産を無駄使いしてしまった、放蕩息子の告白である。
朝のミサ中、福音を読む高齢の宣教司祭の声は、この部分で急に泣き声に変わった。何が起きたか心配しながらも、泣き声で読んでいる白髪の司祭の姿を見ながらわたしは未知の感動に押し流されそうになった。腰は曲がり、不十分な日本語でも一生涯を通して外国で福音を宣べ伝えているその老司祭にどのような罪があるだろうか。
年を取る大きな恵みの一つは、自分が天の父の前で弱く貧しい罪人である、と自覚することだ。毎月行うゆるしの秘跡では、年になるほど自分の心の内面から出る罪がいっぱいある。
朝食後、神父様から電話が来た。福音の福音を読みながら感情的になってしまい、申し訳なかったという話だった。わたしの胸はいっぱいになった…。