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日本管区での活動 ~Our Activities~

カリタス南相馬 

ロボテス見学会 2020 に参加しました ②

2020-09-14
最期に隣接する水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド」を見学しました。地球温暖化の抑制に向ける取り組みで、再生可能エネルギーによるCO2 削減に向けた世界最大級の水素エネルギーの製造拠点です。太陽光発電によって得られた電力で、水道水を水素と酸素に分解し、酸素は空中に放出します。得られた水素を発電や燃料として利用するのです。酸素を蓄えるのは危険ですが、水素は安定しているので大丈夫ということでした。太陽光発電で得られた電力は蓄えておくことができません。余った電力を水素に変換し、貯蔵、輸送、利用する試みです。この水素を東京オリンピック・パラリンピックで活用することが検討されている そうです。現在はJビレッジで利用されているとのことです。
左上は 太陽光発電と水素エネルギー研究フィールド で、真ん中は水素運搬のためのトレーラーです。パイプが何本か束になっており、そのパイプの中に水素ガスをつめてトレーラーでけん引していきます。水素自動車の水素ステーションのようなところに水素を供給するためのものです。 H2 ロケットなどはエネルギーに液体水素を使うのですが、253度に冷却しなくてはならず、大変大きな設備が必要で、気体のまま利用するほうが簡便なのだそうです 。右上のような水素ガスの入った小型のカセットは据え置き式のもので、空になればとり変えます。
 福島ロボテスは国家プロジェクトで、115 億円をかけて作られました。 確かに都会の大企業や大学からの人の流入は増加したものの、はたして地元の雇用が促進され、利益につながっているのだろうかと疑問に思うこともありました。
 6時間にわたる長~い見学でした。万歩計は 約9,000歩、暑い中、よく歩いたと思います。知らない世界を知 ることは大変興味深く面白いです。
 南相馬市は2011年の震災と原発事故後、脱原発、原子力に依存しない町づくりをめざしています。かつて津波に襲われ壊滅的な被害を受けた海岸線には堤防が築かれ、その内側には防災林の植樹、そしてその内側に盛り土をした上に新しい道路が造られ、三重の津波対策が行われています。その内側の広大な土地、津波対策のため に住宅には適さない広大な土地に太陽光発電所、風力発電所が建設されています。現在、これらで南相馬市の30%余りの電力を賄っているそうです。市では2030年には再生可能エネルギー導入率100%という目標を掲げています。
 福島第一原発に近い小高区では約30%の人が戻ってきています。先日は小高の災害復興住宅で2件の孤独死の 方が見つかりました。震災後10年たち、福島ロボットテストフィールドのような輝かしい光の部分、そして毎日の人々の具体的な生活の中での影の部分も決して見落としてはいけないと思いました。
Holy Spirit Missionary Association (HSMA)
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